参加方法: 会員には前日までにメールでミーティングIDとパスコードをお送りします。 非会員で参加を希望される方は、お名前とご所属を明記し参加希望のメールを事務局MichioTajima(at)SES-online.jp (注:@を(at)に書き換えてあります)までお送りください。ミーティングIDとパスコードをお伝えします。 参加者は「聴講者向けZoomマニュアル」(上記リンク参照)をご参照いただき、開催時間にお伝えしたミーティングIDとパスコードでご参加ください。(マニュアルは大学教育研究フォーラムが作成したものを許可を得て使用させて頂きました。) ご不明なことがございましたら事務局までメールでお問い合わせください。 |
開会挨拶 (3:00−)
英米文化学会理事長 曽村充利 (法政大学) 研究発表 1. コンラッド作品の「マレーもの」に関する共通要素について (3:10−3:50) 発表 渡辺 浩(就実大学) 司会 塚田英博(日本大学) 2. テネシー・ウィリアムズの詩的想像力―“Kicks”と『欲望という名の電車』をめぐって (4:10−4:50) 発表 古木圭子(奈良大学) 司会 河内裕二(尚美学園大学) 閉会挨拶 (4:50−) 英米文化学会副会長・事務局長 田嶋倫雄 (日本大学) 臨時総会 (4:55−) 研究発表抄録 1. コンラッド作品の「マレーもの」に関する共通要素について 渡辺 浩(就実大学) コンラッド(Joseph Conrad, 1857-1924)の初期の物語の中に、マレー地方を舞台とした一連の作品群「マレーもの」がある。処女作の長編『オールメイヤーの阿房宮』(Almayer's Folly, 1895)をはじめ第二作『島の流れ者』(An Outcast of the Islands, 1896)、それに続く短編「カレイン」("Karain: A Memory", 1897)や「潟」("The Lagoon", 1897)もこの地域が舞台となっている。そして名作『ロード・ジム』(Lord Jim, 1900)に至って、構成・内容ともにその頂点に達したといえる。処女作がある程度評価されたことは、作家が当時37歳でポーランド出身であったことを考慮すると、幸運なスタートであった。すでにこの作品においても部分的には「マレーもの」としての完成された特色が備わっている。本発表では、上記各作品を比較することで、「マレーもの」に共通する特色を明らかにし、さらに作品のプロトタイプと考えられる要素について考察する。 2. テネシー・ウィリアムズの詩的想像力―“Kicks”と『欲望という名の電車』をめぐって 古木圭子 (奈良大学) 1970年代に執筆され、2021年に発表されたテネシー・ウィリアムズ(Tennessee Williams, 1911-1983)の詩 “Kicks”は、『欲望という名の電車』(1947)のブランチが、レイプ事件の「被害者」として、スタンレーを新たに告発するという内容を含んでいる。さらに本作には、進化論の議論を白熱させた「スコープス」裁判を担当した弁護士クラレンス・ダロウ(Clarence Darrow)の名が挙げられ、ブランチが人間の「進化」について論じながら、スタンレーの野蛮さを批判する『欲望』の場面を想起させるが、レイプという問題を扱っているという点において、同じくダロウが関わった「マッシ―事件」の裁判との関わりも無視はできない。以上のような点を踏まえ本発表では、1970年代に、詩という形式において、ブランチとスタンリーの関係に新たな対立構造を見出そうとするウィリアムズの意図を探ることとする。 |